調査診断技術

2.防食工の点検診断

( 1 )被覆防食工の点検診断

①目視調査

目視調査は、海水面上の調査と海水面下の調査に分けられます。海水面上の目視調査は船上から行い、海水面下の調査は潜水士による水中カメラなどの機材を用いて行います。
防食工の点検診断は、目視調査のほか、点検・調査で得られた測定データ等により劣化度(a~d)を用いて判定を行います。

鋼管杭式桟橋の点検診断状況
小型ボートを用いた目視調査の事例
※港湾鋼構造物防食・補修マニュアル(2022 年版),
p.Ⅲ-15 引用
鋼管杭式桟橋の点検診断状況
目視調査による劣化度判定の事例(塗装工)
※港湾鋼構造物防食・補修マニュアル(2022 年版),p.Ⅲ-52 引用
点検診断結果による防食工の劣化度の判定基準
鋼管杭式桟橋の点検診断状況
※港湾鋼構造物防食・補修マニュアル(2022 年版),p.Ⅲ-18 引用

②打音検査・膜厚測定

打音検査は、専用の打診棒あるいは木製やプラスチック製ハンマにより被覆防食の表面を打診し、浮きなどの欠陥部位を同定します。
膜厚測定は、電磁式膜厚計により、被覆膜厚を測定し、膜厚の減少量を測定します。

打音検査・膜厚測定
打音検査(打診棒による)
打音検査・膜厚測定
膜厚測定(大気中)

③機器調査

近年、調査業務に従事する労働力不足や劣化度判定のばらつきの解消、調査者が小型の ボートでも入れない狭い場所でも安全に調査を可能とする手法として、ROV や無線LAN ボ ート、遠隔操作カメラ、マルチコプター等の活用が進められています。

無線LAN ボートによる調査状況例と外観
無線LAN ボートによる調査状況例と外観
遠隔操作カメラによる調査状況例と外観
遠隔操作カメラによる調査状況例と外観
マルチコプターと撮影された防食工の外観状況
マルチコプターと撮影された防食工の外観状況
※港湾鋼構造物防食・補修マニュアル(2022 年版),p.Ⅲ-17 引用

( 2 )電気防食工の点検診断

①電位測定

電位測定は、電気防食工の施工時に設置した電位測定装置を高抵抗電圧計のプラス端子、海水塩化銀照合電極をマイナス端子に接続して、表示値を読み取ります。
測定値が防食管理電位(-800mV)よりも卑であれば、電気防食の効果は維持されていると判断できます。

電気防食工法の点検診断
電位測定要領          
電気防食工法の点検診断

②陽極調査

陽極調査は、流電陽極方式の場合に実施する調査であり、目視による陽極の取付状況の確認や消耗量の調査により陽極の残存寿命を確認します。消耗量の調査では周長計測より陽極の体積を求め、陽極の密度から残存質量を算出します。

劣化度:d 変状なし
劣化度:d 変状なし
劣化度:a ぶら下がり
劣化度:a ぶら下がり
劣化度:a 全消耗
劣化度:a 全消耗
陽極調査結果による劣化度判定の事例
※港湾鋼構造物防食・補修マニュアル(2022 年版),p.Ⅲ-37 引用

陽極の消耗量調査
陽極の消耗量調査状況
陽極の寸法測定要領
陽極の寸法測定要領

※港湾鋼構造物防食・補修マニュアル(2022 年版),p.Ⅲ-34 引用


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防食・補修工法研究会