調査診断技術

補修・補強工法の選定

1. 防食工の補修

防食工の補修を行う場合には、補修対象部位や防食工法に応じて、施工性、経済性、残存供用期間、劣化原因などを考慮して補修方法を選定します。

被覆防食工法の補修方法の例

部分補修の場合

既存防食工法 補修方法(工法)
塗装 超厚膜形被覆 水中硬化形被覆 ペトロラタム被覆 モルタル被覆
塗装
重防食被覆 PE
UE
超厚膜形被覆
水中硬化形被覆
ペトロラタム被覆
モルタル被覆

※1 PE:ポリエチレン被覆、UE:ウレタンエラストマー被覆

全面補修の場合

既存防食工法 補修方法(工法)
塗装 超厚膜形被覆 水中硬化形被覆 ペトロラタム被覆 モルタル被覆
塗装
重防食被覆 PE
UE
超厚膜形被覆
水中硬化形被覆
ペトロラタム被覆
モルタル被覆

※1 PE:ポリエチレン被覆、UE:ウレタンエラストマー被覆

【凡例】適用範囲
〇:海上大気中~海水中、△:海上大気中のみ、▲飛沫帯~海水中

2. 腐食鋼材の補修・補強

腐食鋼材の補修・補強工法は、鉄筋コンクリートを用いる工法と鋼板を用いる工法がありますが、施工性やLCCを含む経済性を考慮して、最適な工法を選定します。

補修・補強工法の比較

検討項目 鉄筋コンクリートを用いた
補修・補強工法
鋼板を用いた補修・補強工法
施工性
  • 補修・補強鋼材が複雑な形状な場合でも適用性が高い
  • 比較的海象条件が悪い場合にも適用できる
  • 比較的単純な形状で、海象条件が良い場合には施工が容易
  • 水中施工時の濁りが少ない
経済性(LCC算定時の配慮事項) 施工時だけでなく、鉄筋コンクリートの耐久性を考慮する 補強用鋼板の防食工の費用や防食工の維持管理を考慮する

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防食・補修工法研究会