調査診断技術

4.補修工法の選定

( 1 )防食工の補修

防食工の補修設計は、防食工および適用する防食工法の種類と特性、防食工の劣化状況あるいは防食性能の低下の程度、施工性、経済性などを考慮して、所要の防食性能を満足するように行います。また、防食工の補修の施工は、補修設計で考慮されている防食性能を満足するよう適切な施工計画を定め、その計画に基づき実施します。

被覆防食工の補修方法の例

部分補修の場合

既存防食工 補修方法
塗装工法 重防食
被覆工法
超厚膜形
被覆工法
水中硬化形
被覆工法
ペトロラタム
被覆工法
モルタル
被覆工法
耐食性金属
被覆工法
塗装工 △ ― ― 〇 ― ― ―
重防食被覆工※1 PE ― △※2 ― 〇 〇 ― ―
UE ― △※3 ― 〇 ▲ ― ―
超厚膜形被覆工 ― ― △ 〇 ― ― ―
水中硬化形被覆工 ― ― ― 〇 ― ― ―
ペトロラタム被覆工 ― ― ― ― 〇 ― ―
モルタル被覆工 ― ― ― 〇 ― 〇 ―
耐食性金属被覆工 ― ― ― 〇 ― ― 〇※4

※1 PE:ポリエチレン被覆、UE:ウレタンエラストマー被覆
※2 スティック法、パッチ法
※3 補修用ポリウレタンを用いる方法
※4 耐食性金属による肉盛溶接、耐食性帰属によるパッチ当法(いずれも干満帯・海水中ではドライチャンバーを用いる)

全面補修の場合

既存防食工法 補修方法
塗装工法 重防食
被覆工法
超厚膜形
被覆工法
水中硬化形
被覆工法
ペトロラタム
被覆工法
モルタル
被覆工法
耐食性金属
被覆工法
塗装工 △ ― ― 〇 ▲ ▲ ―
重防食被覆工※1 PE ― ― ― △ 〇 △ ―
UE ― △※2 ― 〇 〇 〇 ―
超厚膜形被覆工 ― ― △ 〇 〇 〇 ―
水中硬化形被覆工 ― ― ― 〇 〇 〇 ―
ペトロラタム被覆工 ― ― ― ― 〇 ― ―
モルタル被覆工 ― ― ― 〇 〇 〇 ―
耐食性金属被覆工 ― ― ― 〇 〇 ― ―

※1 PE:ポリエチレン被覆、UE:ウレタンエラストマー被覆
※2 補修用ポリウレタンを用いる方法

【凡例】適用範囲
〇:海上大気中~海水中、△:海上大気中のみ、▲飛沫帯~海水中

( 2 )腐食した鋼部材の補修

腐食した鋼部材の補修は、鉄筋コンクリートあるいは鋼板を用いて、腐食した鋼部材の表面を被覆する工法が一般的です。補修にあたっては、鋼部材の腐食状態と性能低下の程度、腐食した鋼部材の性能回復の程度に応じた補修設計、施工方法、さらにはLCC を含む経済性を考慮して、最適な工法を選定します。

補修・補強工法の比較

検討項目 鉄筋コンクリートを用いた補修 鋼板を用いた補修
施工性
  • 補修鋼部材が複雑な形状な場合でも適用性が高い
  • 比較的海象条件が悪い場合にも適用できる
  • 比較的単純な形状で,鋼板を溶接することによって効果的に補修できる場合、海象条件が良い場合には施工が容易
  • 濁りの影響など水中コンクリートの施工が制限される場合に有利
経済性(LCC算定時の配慮事項) 施工時だけではなく,鉄筋コンクリートの維持管理を考慮する 施工時だけではなく、補修用鋼板の防食の維持管理を考慮する

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