補修・補強工法
補修・補強工法は、港湾鋼構造物の平均干潮面直下付近で発生する集中腐食によって鋼材の耐力が著しく低下した場合などに、当初あるいは要求される性能に戻すことができる工法です。
1. 鉄筋コンクリートを用いた補修・補強工法
腐食鋼材と鉄筋コンクリート被覆を一体化することで構造物の耐力を復元・防食する工法です。集中腐食により、鋼管杭や鋼矢板の耐力が著しく低下した場合、比較的減肉のない上部と下部の鋼材に水中スタッドジベルを複数溶接した後、各ジベル頭部に縦横の鉄筋と型枠を取り付け、最後に型枠内部に水中コンクリートを打設し養生します。
2. 鋼板を用いた補修・補強工法
集中腐食により鋼管杭や鋼矢板の耐力が著しく低下した場合、スリット加工した補強鋼板を鋼材外周に直接湿式水中溶接し、耐力を復元する工法です。本工法は水中溶接の十分な品質管理と、溶接後の防食対策が必要です。
スリット鋼板の吊り込み状況 |