鋼材の防食の必要性

4.港湾鋼構造物の被害事例

以下に集中腐食による被害事例を示します。

腐食による被害事例

1)鋼矢板式岸壁の陥没(右写真: 陥没によって横転したクレーン車)
鋼矢板式岸壁の陥没(右写真: 陥没によって横転したクレーン車) 鋼矢板式岸壁の陥没(右写真: 陥没によって横転したクレーン車)
2)鋼管杭式桟橋の陥没
鋼管杭式桟橋の陥没
3)鋼管矢板式の構造物に発生した腐食穴
鋼管矢板式の構造物に発生した腐食穴
出典:阿部正美, 海洋鋼構造物の腐食と防食対策, (社)日本防錆技術協会, 2002.6

また、集中腐食以外に腐食を早める要因として、サンドエロージョンがあります。

そのメカニズムは、以下の作用の繰り返しによるものです。
①静穏時に腐食生成物が生じる。
②荒天時の高波浪により巻き込まれた砂が鋼材表面に衝突し、腐食生成物が磨耗する。
③新しい鋼材表面が露出する。

腐食生成物は母材よりも磨耗しやすく、摩耗によって生じた新しい鋼材表面は腐食しやすいため、磨耗と腐食の繰り返しは、腐食速度を大幅に増加させます。
この現象は、高波浪の影響を受ける海域などの比較的水深の浅い海底面近傍に多く見られます。

サンドエロージョンにより鋼矢板に発生した穴
サンドエロージョンにより鋼矢板に発生した穴< サンドエロージョンにより鋼矢板に発生した穴<
出典:(社)日本防錆技術協会,防錆管理 Vol.56,No.3,2012.3

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鋼材の防食の必要性
防食・補修工法研究会